第33話

 第27話では、仮想空間(メタバース)における画像の保護に関する著作権法と意匠法の棲み分けについて解説しました。

 今回は、アバターの著作権法による保護の可能性について検討します。

 「アバター」の定義ですが、ウィキペディアでは、「アバター(avatar)は、コンピュータネットワーク上において、主にコミュニケーションのためにユーザーの「分身」として用いられるキャラクター像のこと。」と記載されています。

 この定義を前提とすると、著作権侵害の最高裁判例(最高裁平成4年(オ)第1443号同9年7月17日第一小法廷判決・民集51巻6号2714頁)において、「著作権法上の著作物は、『思想又は感情を創作的に表現したもの』(同法2条1項1号)とされており、一定の名称、容貌、役割等の特徴を有する登場人物が反復して描かれている一話完結形式の連載漫画においては、当該登場人物が描かれた各回の漫画それぞれが著作物に当たり、具体的な漫画を離れ、右登場人物のいわゆるキャラクターをもって著作物ということはできない。けだし、キャラクターといわれるものは、漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念であって、具体的表現そのものではなく、それ自体が思想又は感情を創作的に表現したものということができないからである。したがって、一話完結形式の連載漫画においては、著作権の侵害は各完結した漫画それぞれについて成立し得るものであり、著作権の侵害があるというためには連載漫画中のどの回の漫画についていえるのかを検討しなければならない。」と判示しています。

 この考え方を参考にすると、アバターについても、著作権法によって保護されるのは仮想空間において表現された個々の画像又は映像であり、具体的表現から離れた人物のキャラクターは保護の対象となりません。