第5話
第4話に引き続き、知的財産権の様々な法律による保護を説明します。
ソフトウェア(コンピュータ・プログラム)のアルゴリズムは特許法によって保護され、アルゴリズムはフローチャートで表されます。プログラムの発明について権利行使する際、フローチャートに従って、本件発明と対象発明とを比較し、対象発明のアルゴリズムを解析しなければなりません。解析の結果、権利者が権利侵害と判断しても、実際の裁判では、特許発明の技術的範囲(特許法70条)は、特許請求の範囲よりも狭く解釈される場合と広く解釈される場合があります。これらは、それぞれ[参考資料]の「特許発明の技術的範囲とその解釈について」の裁判例1と裁判例2に対応します。
プログラムによって表示される画像は、令和元年改正意匠法(令和2年4月1日施行)によって保護されるようになりました。画像の意匠の比較は、一目瞭然です。しかし、意匠権の権利行使をする際、権利者が類似と判断しても、裁判所が類似と判断するとは限りません。
同じ知的財産権に対して、複数の法律によって保護を受ければ、一つがだめでも、他の法律で保護される可能性があります。